顔が見える住まい
古き良き時代のご近所付き合いをされてきたA様が娘夫婦、そしてお孫様と一緒に住むために決断された今回のリフォーム。A様の想いは「人と笑顔がつながる家にしたい」でした。
幼少期よりこの地で暮らしてこられたA様、常に家族以外の人と家で顔を合わせることが当たり前で、玄関の鍵が閉まっていても、縁側に回って「こんにちは」の声が響き渡る。不在であっても、家に上がり家主の帰りを待つ。古き良き時代を懐かしく思うも、A様の心に根ざした「人の集まるのが好き」という気持ち。そんなA様は、自宅兼事務所だった建物を、「娘が一緒に住みたい」という希望から、二世帯住宅へと大規模リフォームでした。
二世帯住宅といっても、玄関は一つ。それは「住まうフロアーが別でも、入り口は一つ。気配を感じ、顔が見れる。」これは、A様が娘夫婦に、そして孫に伝えていきたい、人との関わり方の基本でした。
さて、今回メインで拝見させていただいたのは、今回は娘様ご家族が住まわれている2階部分。こちらは、A様の娘様が主体となってレイアウトされましたが、ここにもA様と共通するこだわりポイントがありました。それは、「人が集まれる場所で顔を見て接することができる家にしたい」でした。娘さんのご主人はオーストラリア出身。文化が違えど、“人が好き”なのは国境を越えた、世界共通言語です。
ダイニングキッチン・リビング
家族が集う中心的な場所であるダイニングキッチン。家の間取りもこちらを中心とした作りになっています。隣接するリビングはもともと、バルコニーだった場所を増築し、もともとあったリビングと一体化させることで広々としたリビングが誕生。ダイニングキッチンとリビングが一体的となっているため、ホームパーティーが好きな娘様夫婦のご希望通り、たくさんの人が集える空間になっている。一体となっているが、照明の縁やスイッチ、床部分の素材を変えることで、区分けされている。
洗面・トイレ
開放的で明るいリビングダイニングとは一線を画し、キッチンシンクと同様のシックな色でまとめられた水回りは、使い勝手を考え、ダブルボウル仕様や広いトイレ。トイレの洗面スペース下は、ご主人のDIYによって、色が変更されています。
外観
二世帯住宅ではあるものの出入りする玄関は1箇所のみ。ファサードと玄関タイル、玄関扉を統一感のある色に変更し、装い新たに、シックな佇まいに。