すべてを新しくするのではなく、大切なものを活かし、受け継いでいく。
当初は注文住宅も検討されていたというK様。お住まいは44年前(昭和48年)に新築されたRC(鉄筋コンクリート)造です。個人宅よりもマンションなど大規模建築に用いられるRC造、その頑丈な構造や耐用年数、耐震・耐火性能の高さを生かすために、K様はリフォームを選択されました。リフォームなら新築よりも工期が圧倒的に短く、さらに工事中の仮住居や家財の移動・保管が最小限ですむというのも決め手になったようです。
リビング・ダイニングは、以前リビングの隣室だった和室とつなげて、畳ほどの広々とした開放感あふれる空間になりました。今まで奥まって独立型だったキッチンは、対面式のオープンタイプにすると、料理をしながらリビング全体が見わたせて、個人宅とは思えないほどスケールの大きなLDKが誕生しました。
キッチンの床面積はさほど変わっていませんが、3メートルのワークトップになって作業スペースも格段に広がりました。お正月には大勢のご親戚をもてなす奥様も「キッチンが回遊式になって、本当に使いやすいですよ。感激してます!」とやさしく微笑みます。
K様で28代目、約900年続くお家柄で、奥にあった和室は先祖代々をお祀りしている仏間なので和室のままにし、吊り押入れと間接照明を巧みに配し、モダンな侘び寂びが感じられる和空間に。以前の和室にあった透かし彫りの欄間は、とても貴重な名品でしたので、大切に受け継ぎ、室内飾りとして残しました。芝生のお庭へとつながる和室前の空間は、庭側に張り出すように増築し、光や風がたっぷりと入るサンルームへと生まれ変わりました。
予定通りに進まなくてもきちんとした説明や対応で納得できる家づくり。
K様のこだわりは、見えない部分やさりげない場所にも感じられます。たとえば、以前は土間だった床下は、リフォームを機に防湿コンクリートに変更。湿気が上がりにくくなり、住み心地も大幅に改善されました。
1階の床には、LDKから廊下、玄関ホール、洗面室、浴室内、トイレまで、徹底的に床暖房を導入しました。寒暖差のない快適な家は、冬の大敵「ヒートショック」からも家族を守ってくれます。調湿効果のある珪藻土クロスや、メンテナンスしやすい機能クロスを採用しています。また全ての壁の角は、元気いっぱいのお孫さんがケガをしにくいように丸みをつけて仕上げました。
「要望はしっかりと伝え、あとは成建さんを信頼して任せました。既存の建物には制約があるから、予定通りにいかないことは起きる。でも、そのつど見積もりもやり直して、きちんとした説明がありました。だから納得した家づくりができたんだと思います。」と率直に語っていただきました。
リビング・ダイニング
以前の和室をリビングに一体化させて広々20畳のリビング・ダイニングに。お孫さんが運動会できそうなほどスケールの大きい空間に変身しました。
キッチン
長さ3mのワークトップで作業がらくらく、そして回遊式で使いやすい対面式キッチン。吊戸棚は昇降タイプで使いやすくしました。
和室
美しい和の空間に快適な掘り炬燵。細工の手の込んだ風格ある欄間も、左側の壁にしっくりと調和しています。
浴室
前後と下からも噴出するジェットバスをはじめ、ミストやテレビも完備。K様お気に入りのリラクゼーション空間になっています。
サンルーム
和室からお庭に出る軒下は、サンルームを増築。ガラス扉はこのようにフルオープンにでき、洗濯物干しにも、植物の栽培にも、そして癒やしの空間になっています。